金星の「角」—三日月状に輝く姿が夜空に現れる

金星が太陽と地球のほぼ正中間に位置する時期が訪れると、望遠鏡を向けた観測者の目には月ではなく金星が映る。この配置は1年半ごとに一度発生する現象だ。地球の月で言えば新月の時期に相当するが、異なる点がある。新月は暗いままだが、金星の場合は逆光となった大気が太陽光を屈折・散乱させるため、180度を超えて延びた輝く三日月弧が形成される。この弧の両端の突起は「ホルン(角)」と呼ばれている。

小型望遠鏡でも見える現象

この三日月状の金星は双眼鏡や小型の望遠鏡を用いれば薄明時間帯に観測可能だ。例外的に視力に恵まれた人であれば、肉眼でも見分けられるかもしれない。古くから注視されてきた天体現象でもある。古代バビロニア天文学者たちは、金星の明るさが時間とともに変わることに気づき、これが金星の位相変化と関連していることを研究した可能性が指摘されている。

複数の文明が記録に残した観測

こうした金星の位相変化は多くの古代文明で天文記録として残されている。メソアメリカの文明を代表する、現存する最古のマヤの書物にも同様の天文観測の記述が存在する。金星の光度変化は人類が古い時代から認識していた、重要な天文現象の一つだったのだ。

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出典: NASA Breaking News