月がジュピターを隠す瞬間、土星は最高の輝きを放つ―10月の北米スカイウォッチング

10月最初の週は北米の観測家たちにとって見逃せない2つの天文現象をもたらす。月がジュピター(木星)を隠す食現象と、土星の衝(しょう)である。特に月による木星食は、2026年を通じた最高水準の観測イベントとして位置づけられている。

月の暗側から再び現れる木星

現地時間10月6日の早朝、北米大陸全域で壮観な現象が繰り広げられる。イベントの中心は世界時10時16分(東部時間午前6時16分)。その時刻、月は満月から18日程度経過した細い三日月(照度約20%の上弦前の月)で、木星を覆い隠す。

重要な特徴は、月の照らされた側がジュピターの前方を通るという点である。つまりジュピターが月の背後へ入るとき、月の光の側から消え、逆に月の暗い側から再び姿を現す。月は毎時間、見かけ上の半径分ほど移動するため、この隠没と出現の時間は観測地点によって異なる。米国東部や北米中部では明け方の薄暗い空での観測となり、昨月の昼間食とは大きく異なる。

現在、ジュピターはマイナス1.9等級の明るさで、見かけ上の大きさは34秒角である。月の背後から消えて再び現れるまでに約1分を要する。この比較的ゆっくりとした現象は、ビデオ記録に適している。何より、地球照で照らされた月の暗い側が背景となり、極めて印象的な天体写真を得られる条件が揃っている。

米国本土での次の木星食は2034年9月28日まで待つことになる。IOTA(国際掩蔽観測協会)では、選定地点ごとの詳細な出入り時刻を公開している。

土星の衝と謎の「スポーク」

木星食の2日前、土星は衝を迎える。9月の秋分直後という時期から、土星は珍しく非黄道星座のくじら座(Cetus the Whale)の一角に位置することになる。

リング状の構造体は現在、2026年末の時点で幅12度まで開いている。2025年には正面から見た状態(エッジオン)だったが、2031年に向けて再び最大傾斜に達していく予程である。どのサイズの望遠鏡でも土星は美しい天体だが、今は昨年の土星衝の季節から回復してくる時期として、リング上の謎のスポーク(spoke)―隕石衝突に由来するとみられる放射状の筋―に注視する価値がある。

衝の近くで観測者が目撃する現象が「Seeliger Effect」(シーリガー効果)、あるいは「opposition surge(衝突出現)」と呼ばれるものだ。この後方散乱効果により、土星は約0.3等級の明るさ増加を経験する。月も同様の現象を示し、上弦月や下弦月(50%照度)と比べて、満月近くでは2等級以上、すなわち最大6倍近く明るくなるメカニズムと同じである。数百万マイル彼方の、数百万個のシャーベット大の粒子が集団で起こす光学的効果が、地球からでも検出可能なほどの増光をもたらすという事実は興味深い。

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出典: Universe Today