宇宙推進製造のAgile Space Industries、オペレーション強化で急成長に対応
米国コロラド州デュランゴに本拠を置くAgile Space Industries(アジャイル・スペース・インダストリーズ)が、経営体制を再編して次の成長段階に向けた体制強化を発表した。ジェイソン・ウライト氏が10月初旬にプレジデント(社長)として新たに就任する。CEOのクリス・ピアソン氏は引き続き最高経営責任者を務める。
同社は宇宙機用の化学推進製品とサービスを供給する企業として急速に拡大している。2022年比で2026年末までに売上高が約5倍に達する見込みで、従業員数も165人以上に増え、コロラド州、ペンシルベニア州、オクラホマ州、ワシントン州にまたがる拠点を運営している。成長の主な要因は、単一推進薬(モノプロペラント)および二種推進薬(バイプロペラント)エンジン、推進薬タンク、統合型推進サブシステム、推進システムテスト関連サービスへの需要増加だ。
ウライト氏のキャリアと役割
ウライト氏は宇宙産業で25年以上のキャリアを持つ。推進工学、製造、テスト、運用、プログラム管理など幅広い分野で経験を積んできた。ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)ではモノプロペラントおよびバイプロペラントスラスター、デュアルモード推進システムの専門家として、また推進工学、製造、テストのリーダーシップポジションで実績を重ねている。さらに推進製造センターの運用ディレクターを歴任し、1億ドルを超える利益・損失責任を持つプログラムを統括した経験も有する。NASAや米空軍、米海軍、米宇宙軍、DARPA(国防高等研究計画局)、情報機関、民間衛星事業者など多様な顧客・機関との関わりがある。
プレジデント就任後、ウライト氏は経営の日常的な業務全般を主導する。複数拠点のオペレーション、既存製品とサービス契約の納入、近期の営業・マーケティング・事業開発を担当する。一方、ピアソン氏は長期戦略、取締役会と投資家関係、戦略的事業開発、技術的方向性のリーダーシップに注力する。
打ち上げ需要増が背景
ピアソン氏は人事発表で「アジャイルは強い勢いを持っており、目の前の機会は成長し続けている」とコメント。ウライト氏の推進工学、オペレーション、プログラム管理の経験が「顧客向けの大規模な実行」に不可欠だと述べた。
ウライト氏自身は「打ち上げ利用機会の増加が新たなミッションと宇宙推進需要の成長を生み出している」と指摘し、「運用上の卓越性の実現と顧客への約束履行に注力する。アジャイルの成長に伴い、進化する推進ニーズに迅速に対応し続けることが重要だ」とコメントしている。
出典: SpaceNews
