ケンタウルス族小惑星カリクロの環が大きく変動――JWSTの観測で判明

小惑星帯の外側を公転する珍しい天体・ケンタウルス族の最大メンバーであるカリクロの環が、わずか5年の間に顕著に変化していることが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた国際研究チームの観測で明らかになった。2024年9月、学術誌『サイエンス・アドバンシズ』に発表された論文では、カリクロの2つの環が物質を獲得したり失ったりする動的な進化を遂行していることを示唆する証拠が提示されている。

カリクロは1997年に発見された半径125キロメートルの小惑星で、ケンタウルス族唯一の環系を持つ天体として知られている。その環系は2013年に検出された。ケンタウルス族の小惑星は木星・土星・天王星・海王星といった外惑星の公転軌道を横切る軌道を持つため、従来はあまり注目されていなかったカテゴリーである。

恒星掩蔽法で5年間の環の変化をとらえる

研究チームは恒星掩蔽(こんせい)法という観測手法を用いてカリクロの環を調査した。この手法は太陽系の天体が遠い恒星の前を通るときの微かな減光を測定することで、天体のサイズや環の有無を判定する仕組みだ。2017年に地上望遠鏡で取得された観測データと2022年のJWST観測データを比較することで、環の物質的変化を追跡した。

驚くべき結果として、内側の環(C1R)の不透明度は50パーセント以上増加した一方で、外側の環(C2R)の不透明度は約60パーセント低下していた。カリクロの表面から内側の環と外側の環までの距離はそれぞれ265キロメートルと280キロメートル離れており、内側の環はこの5年間でより密度が高まり、外側の環は逆に密度が減少したことになる。研究チームはこの変化を、各環への物質の補給と喪失として説明している。

謎が残る環変動のメカニズム

論文では、「時間的な進化か波長依存的な不透明度か、あるいはその両者の組み合わせであるかを問わず、これらの変化の物理的起源は未だ開かれた問題である」と指摘されている。小惑星のような小天体を取り巻く環系において、こうした予期せぬ動的振る舞いが観察されたのは初めてだ。JWSTによる恒星掩蔽法の適用は、太陽系天体の研究におけるこの望遠鏡の新たな活用可能性を実証するものでもある。カリクロの環がいかなる物理的プロセスにより形成・変化しているのか、その全貌の解明はこれからの課題として残されている。

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出典: Universe Today