軌道上サービス市場が10年間で30億ドルの収益創出へ
衛星の軌道上での補給や保守といったサービスが、今後10年間で約30億ドル(累計)の事業収益を生み出す見通しが示された。Novaspace社が2026年8月に発表した軌道上サービス市場レポートによるもので、これまで概念段階だったサービスが商業運用へと移行しつつある宇宙経済の柔軟性と持続可能性を象徴するデータとして注目される。
報告書を担当したNovaspace社のGabriel Deville氏は、軌道上での混雑や競争の激化が、衛星オペレータに運用面での回復力と柔軟性をもたらす必要性を生み出していると指摘している。軌道上サービスはこうした課題に対応する手段として急速に発展しており、技術成熟度は概念実証から初期段階の商業運用まで多様な状況が見られるという。
衛星補給と寿命延長サービスが市場をけん引
最大の収益機会は衛星補給(In-Orbit Refueling)で、10年間で12億ドル規模の市場が見込まれている。これに続く主要なサービスが「バックパッキング」と呼ばれる寿命延長サービス(Life-extension Services)で、8億6,000万ドルの市場規模と予測されている。これら二つのサービスが合わせて約20億8,000万ドルに達し、軌道上サービス市場全体の大部分を占める。衛星の価値を最大化し、運用期間を延長し、任務の柔軟性を高めるというニーズが、こうしたサービスへの需要につながっている。
防衛・政府機関は市場形成で中核的な役割を担うとされている。特に防衛機関は「Dynamic Space Operations」(動的宇宙運用)の探索を進めており、衛星補給を作戦の迅速性と運用上の強靭性を強化する戦略的能力として活用する動きを広げている。
政府投資と商業活動の拡大で成熟段階へ
顧客の関心の高まりと継続的な政府投資により、軌道上サービスは初期採用段階から次のフェーズへの移行が予想される。技術が成熟し商業活動が拡大するにつれて、地球周回軌道とその先を結ぶ宇宙物流エコシステムの基盤が形成され、宇宙産業の価値チェーン全体に新たな機会がもたらされる見通しが示されている。
出典: SpaceNews
