宇宙を覆うダークマターの正体 コンピュータシミュレーションが描く不可視の構造

アメリカン・ミュージアム・オブ・ナチュラル・ヒストリーのヘイデン・プラネタリウムが制作した「Dark Universe」という番組から、ダークマターの分布を描いたコンピュータシミュレーション映像が公開されている。この画像は、目に見えない謎の物質がどのような形で宇宙全体に広がっているかを可視化した例として注目を集めている。

宇宙に張り巡らされたダークマターのネットワーク

シミュレーション画像に映るのは、クモの巣のように張り巡らされた黒いフィラメント状の構造だ。これらはダークマターを表している。その一方で、我々が観測できる通常の物質(バリオン物質)は比較的少量に過ぎず、画像内では橙色で示されている。

ダークマターの重力は、複数の天文学的現象の説明に欠かせないものとなっている。銀河が予想外に高速で回転する理由、銀河団の軌道を周回する銀河がなぜそれほど速く動くのか、そして重力レンズが光を強く曲げる原因は、すべてダークマターの引力で説明される。さらに、この不可視の物質は宇宙全体における可視物質の分布パターンにも影響を与えている。このシミュレーション結果は、天文観測のデータと統計的に高い一致を示しており、科学者たちの宇宙観の根拠となっている。

謎の物質よりもさらに謎な力

興味深いことに、ダークマターはもはや宇宙で最も奇妙な重力の源ではなくなった。その座を奪ったのはダークエネルギーである。より均質な斥力として作用するこの正体不明の力は、現在、宇宙全体の膨張を支配していると考えられている。物質の分布というミクロなスケールではなく、宇宙規模での加速膨張を説明する上で、ダークエネルギーの役割はダークマターを上回る重要性を持つようになっているのだ。

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出典: NASA Breaking News