NASAの火星探査車キュリオシティ、地層の縞模様を詳細調査

NASAの火星探査車キュリオシティ(Curiosity)が、ゲールクレーター内の地層に見られる縞模様(バンド)の詳細な調査を進めています。2026年6月上旬の4920~4926火星日(ソル)の期間に、分光測定装置や高解像度カメラを用いて、岩石層が示す化学成分の変化を記録しました。この観測により、火星の過去の環境変動をより正確に理解する手がかりが得られるとみられます。

地層に刻まれた火星の歴史

キュリオシティが現在探査している地域では、異なる色合いの岩石層が交互に重なっています。これらの縞模様は数百万年の年月をかけて堆積した結果であり、各層が特定の時期の環境条件を記録しています。火星科学実験装置(SAM)に搭載された放射光誘起X線分光器(RAXS)やハザードカメラなどの観測機器を駆使して、個別の層の化学組成を測定することで、過去の水の存在や気候変動のパターンが明らかになるとされています。

火星の気候進化を解く鍵

地層の縞模様が示す規則的なパターンは、周期的な環境変化の記証と考えられます。粘土鉱物、塩類、酸化鉄などの成分の分布を調べることで、乾燥化への移行過程や水圏の縮小時期を推定できます。こうした詳細な地質データは、火星がいつ頃まで液体の水を保持していたのか、どの段階で現在のような乾燥した惑星へ変わったのかを解明する上で極めて重要です。キュリオシティは2012年の着陸以来、14年目の活動を継続しており、火星の地化学的進化の全体像を組み上げる最後の重要な調査を行っています。

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