2026年05月31日、宇宙開発の分野で低軌道衛星の革新的な技術実証計画が報じられています。

空気を吸収する新型衛星技術

ベラトリックス社(Bellatrix)とテレピックス社(TelePIX)は、2028年に超低高度軌道(VLEO:Very Low Earth Orbit)での地球観測衛星の実証ミッションを実施する計画を発表しました。このプロジェクトの最大の特徴は、空気吸引推進システム(air-breathing propulsion)を搭載した衛星を運用することです。通常、低高度軌道では大気による抵抗が衛星の墜落を加速させるため、高度500キロメートル以下での長期運用は難しいとされていました。しかし空気吸引推進システムを採用することで、稀薄な大気を推進剤として利用し、衛星を軌道に保つことが可能になるとしています。

地球観測とコスト削減への期待

このVLEO軌道での地球観測衛星は、高度600~800キロメートル程度の従来の軌道と比べて、より高い解像度での撮影が実現できるという利点があります。より地球に近い位置から観測することで、災害監視、都市計画、農業管理などの分野でより詳細なデータ取得が期待されています。また、空気吸引推進システムにより燃料搭載量を削減できるため、衛星の小型化とコスト低減が見込まれています。今回の2028年の実証ミッションでは、このシステムの実用性と信頼性が検証される予定とされています。

宇宙産業への影響

この技術が確立されれば、次世代の地球観測衛星コンステレーション(複数衛星による観測網)の構築がより効率的になる可能性があります。ベラトリックスとテレピックスによる実証が成功すれば、他の宇宙企業や衛星オペレーターも同様の技術導入を検討するようになると考えられ、宇宙産業全体における革新的な転機となることが期待されています。

今後のミッション実施と技術実証の結果が、低軌道衛星事業の発展を大きく左右する重要なプロジェクトとして注視されています。

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